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「お主、悩みがあるな?」
その人形の様な容姿に不似合いな話し方。
しかし、どこか似合うところがあるのも事実だった。
「悩み……?」
「そうだ悩みだ。」
一樹は少し考えた。
素直に言うならば、能力がほしいところ。
しかし、叶えられるはずが無い。
「小学生に助けられるようなことじゃないよ。」
一樹の軽蔑とも取れる発言に、少女は頬を膨らませた。
「私は小学生では無い、神様だ!!」
間が空く。
一樹の思考回路がストップしたのだ。
冗談だろう。
そう判断するが、妙に自信溢れる言い方と腹の立つ表情は、恐らく本気だ。
「何故そんな痛々しいモノを見るような目をする!?」
馬鹿にするのも良くないと思った一樹は、優しく問い掛けた。
「どうした?迷ったのか?」
人生の行き場に。
「お主、馬鹿にしておるな……?」
当然だろう。
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