夢の箱

2/10
前へ
/10ページ
次へ
いつもと変わらない朝、いつもと変わらない部屋、いつもと変わらない行動…そして、いつもと変わらない私‥ 一体いつからだろう、いつもと変わらない私になったのは、いつからだっただろう… 朝起きて、着替えて、朝食を食べ、スナックだかバーだか分からない職場に向かって、客にセクハラされて、いい顔して愛想笑いをする。 そんな毎日に慣れた頃、あの箱が家に届いたのだ。 なにも入っていない‥送り主の名前も書いてない、ただ真っ白な空箱…その空箱の中身を知った時、私は悟ったのだ。 カランカランと、扉が開いた。 私とママさんは溢れ出しそうな笑みを堪えて言った。 「いらっしゃい」
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加