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ジャーーーー。ガタッ。
「あー、スッキリ!」
海羅が女子トイレを出たとたん、横に忍がいた。
「うわっ!!!!!!…もぉ…驚かさないでよ。」
「ちょっと。二人で話したくて。」
「は??んまぁいいけど。で?何?」
「あのさぁ、海羅の好きな人って誰?」
「は!?いきなりなに言うのかと思えば急にそんな話?何で?」
「いや…」
「……青田先生…だけど…」
海羅は小声で言った。
「…ふーん。」
「何その反応。そしたら聞かないでよね。」
「んじゃあさ、おれの好きな人って誰だと思う?」
…ドキッ
海羅は一気に不安になった。
「え、えーと…誰だろうね…。想像できない…」
「ちゃんと答えろよ。」
忍が真剣な表情で言った。
「え…あ、うん…」
少し時間をおいた後、海羅は答えた。
「…ま…まゆりんとか…?」
その場の空気が変わったのを感じた。
「…ちげーよ。言ってやろうか?お前だよ、お前。」
「!!」
海羅はそれを聞いて忍を平手打ちし、パーティー会場へ逃げるように去っていった。
忍はその場でしゃがみこんだ。
「…やられると思った。」
遠くの曲がり角で、二人の会話を真由はこっそり聞いていた。
真由は手に持っていた忍へのラブレターを両手でゆっくりとぐしゃぐしゃにした。
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