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次の日、試合が始まったのは昼の1時だった。
まずは相手のチームが点数を入れた。
真由は私の隣でずっと「勝って…」と小声で言っている。
それは、ラスト20秒のことだった。
点差は2点差。
ラスト10秒、スリーポイントシュートをしなければ勝てない…
そのとき、広夢から忍にパスがいき、忍がスリーポイントシュートをいれようとしていた。
ラスト3秒、2、1…
ストン!! ビーーーッ!!
ほぼ同時だった。
体育館は歓声に包まれていた。
真由は泣いていた。
…告白。
こくはく。
コクハク。
しぶくんがまゆりんにとられる。
…あれ?私、先生が好きなのになにかんがえてるんだろ…。
ドン!
肩が急に重くなった。
よく見ると誰かの手だった。
「桜木、ちゃんと見てたか?ビックリして何も言えないか?」
青田先生だった。
「先生!」
急に嬉しくなって犬がしっぽをかなりの早さで動かすみたいに興奮してしまった。
「そういえばシュート数えてた?」
「あぁあ!!!!!!!!忘れてた!!!!!!!!」
「あぁいいよ、いいよ。多分あいつ、佐藤だから。」
「す…すいません…。」
「てか何で伊藤泣いてんだ?」
「い、いろいろ事情がありまして…ハハハ」
「まぁいいや。今日はパーティーだ!!!!」
「やったぁ★」
そこに忍が来た。
「何でそんなに盛り上がってんの…?」
「今日パーティーだって!!」
海羅が満面の笑みで言った。
すると忍の後ろにいた広夢が大声で言った。
「うそ!!海羅ちんまじで!?」
「うん!ですよね?先生!」
「おぅ。しかも焼き肉で俺のおごりだ!!」
「「イェーイ★☆」」
真由は忍の方をずっと見ていた。
忍は海羅を見て少し嬉しそうな顔をしていた。
真由は覚悟していた。
振られても負けない…と。
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