第一章~血の雨を降らせる男~ 【出逢い】

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「ロッド、ところでパレードって?」 「そんなことも知らないのか」  心外だ、といわんばかりの表情を向けてくる連れに、自らも同じ表情をしてみせる。 「だって俺、去年はこの時期まだこの国に来てない。知るわけない、」 「あぁそうか。すまん、忘れてた。  パレードはな、王家の舞姫が収穫を祝い、煌びやかな衣装で踊るんだ。収穫祭を見に来る奴は大抵これが目当てだな。なんせ普段一般市民が見れるものではないし――何より、今の舞姫は次期王位継承者とも言われているからな」 「へぇ……あ」 「なんだ?」  途中で言葉をとぎらせ、黙り込んだレインをロッドは振り返る。  すると彼はその整った唇に指を添えて黙るように促す。    それだけでロッドは何かを理解したのか、レインが言葉を発するのを待つ。  喧騒の中、微かな太鼓の音をレインの耳は捉えていた。  常人には聞こえないほど小さく、ほんの微かな音色。 「ロッド、もう遅いかも。結構近くまで来てる」 「うーむ……これじゃ城に行くのは面倒だな。よし、休憩がてらレナの所に行こう」  自分も酒飲みたくなったんだろ、というレインの呟きは聞こえないふりをして、ロッドは意気揚々と馴染みの酒場へと足を進めた。 .
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