第一章~血の雨を降らせる男~ 【出逢い】

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「さぁもう逃げられませんぞ」 「早くこちらに」 「ぃッ……やだ! 離してよ!」  王宮の兵士が何故――という疑問符が頭の中で飛び交っていたが、男たちは少女の細い腕を掴みに掛かっていた。  それを目にしたと同時に、足が動いていた。 「王宮兵士が民間人を乱暴に扱うのはいけないよな、やっぱり」 「――なっ!? 誰だお前!」 「ただの通りすがりの雇われ傭兵。その手を離せ―――でないと片腕飛ぶぞ」 音もなく1人の兵士の傍らに立ち、その腕に持っていた短剣を添える。 「そんな小さな剣で何ができるって、」 「斬れるんだ、俺は。……試してみるか?」  目深に被っていたローブから金色の右目が覗き、ギロリと兵士を捕える。 「お、お前まさか―――」  ひくついた兵士の口元を見て、レインはくつくつと笑う。  そして静かにローブをはぎ取った。 .
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