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現れたのは、赤毛。
燃えさかる炎のような、鮮やかな緋色。
金の右目と、漆黒の左目を持った男――その姿見た兵士は、2人して大きな身体を強張らせ、少しずつ後退していく。
「緋色の髪に……金と黒のオッドアイ……」
「へぇ、俺の事を知っているのか」
レインは薄くも形の良い唇を歪め、男の腕を取った。
ひきつった声をあげる王宮兵士の腕を捻り上げ、その首筋に刃を宛がう。
「俺の名を――知っているのか」
「しし、知ってるも何もっ……! あんた、血の雨の男だろう! は、離してくれっ!!」
「レイン、その辺でやめとけ」
「……。ロッド」
刃を持った腕を、いつの間にか現れたロッドに取られていた。
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