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「世継ぎの誕生だ!」
「いや、女の子かもしれないぞ」
「どちらにしろめでたいことに変わりはない!」
国中が歓喜に湧いたその日は、ウェールズ王国にとっての宝“国王の第一子”誕生の日だった。
前日から民は酒を用意し、顔を真っ赤に染め、喜びに満ち足りた表情で歌い、笑い、躍った。
今朝がた王妃に出産の印がきたものだから、国中あげてのお祭り騒ぎ。
すでに酌を交わす者、現国王が生まれた時の事を懐かしく語る老人、小さな手で花束を作る子ども達。
すべての民の顔には笑みが零れ、新しい命の誕生を心待ちにしていた。
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