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ウェールズ王国の紋章と、国王であるアグレスの印が入った通行証。
それを手に収め、少しだけ鋭い視線を彼に向ける。
「本当の用は何です? これを渡すだけならば、貴方自らここに訪れなくともいいはずだ」
通行証がSクラスだから、という理由であったとしても、国王自らがレインの元に来る事自体、おかしい。
例えSクラスであろうと、レインはただの雇われ傭兵なのだから。
「ロッドの言っていた通り、察しが良いな。
……君に、頼みがある。受けるか受けないかは、内容を聞いてからで構わない」
「……わかりました」
受けるも受けないも、通行証を渡された今、断る訳にはいかないだろう。
そんな心情を察してか、アグレスはニヤリと笑いながら酒で唇を湿らせた。
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