〔episode 1〕 ペルソナ

8/49
前へ
/281ページ
次へ
「たくっ。こんなラジオで討論交わしたとこで対した答えも出ないのに、無駄なことしやがる」 と、三菱パジェロのハンドルを握る父、稲嶺剛斗(いなみねごうと)はラジオに文句を吐き捨てる。 「父ちゃんがラジオでた方がいいんじゃないの?」 弟の稲嶺泰斗(いなみねたいと)は助手席から剛斗にそう話しかけた。 「いやだね。ラジオなんて…おっ、見えてきた。あそこだあそこ。泰斗~お前は覚えてないだろ~。おい、採斗!懐かしの我が家だぞ!」
/281ページ

最初のコメントを投稿しよう!

72人が本棚に入れています
本棚に追加