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そう話しかけられた稲嶺採斗は胸が痛むのを感じながらも頭を上げて剛斗が指した場所を見た。
そこは巨大な丘を段々に切り崩してできた住宅街が並んでいる。
丘は五段になっていて、一番上が5丁目、一番下が1丁目となっている。採斗の家があるのはここの5丁目、つまり一番上になる。
丘を切り砕いてできたその場所は《芦八ヒル》と呼ばれている。
《芦八ヒル》を登る坂は周りをグルッと囲んだ螺旋状になっており5丁目まで上がるにはどうしても時間がかかってしまう。それを解決しようとエレベーター増設を今の芦八市市長は計画しているらしい。
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