〔episode 1〕 ペルソナ

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だが12年前にとある事件が起き、採斗の母親、稲嶺鞠子(いなみねまりこ)が命を落とす。 採斗は家に入ろうとせず12年前のあの時より綺麗になっている玄関先を見つめていた。 「ここで…」 「おい!!」 剛斗の怒鳴りつける声が響いた。突然の怒声に採斗は身をすくめ、剛斗に目をやる。 「忘れろ!さっさと入れ!」 声とは裏腹に寂しそうな顔をした剛斗が採斗の目に映った。 「………今行く」
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