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よく見るとなにか白いモヤのようなものが森全体に覆い被さっている。
「何だあれは?霧?」
気づけば部屋を出て外に出ようと採斗は靴をはいていた。
「あれ?兄ちゃんどっかいくの?」
「ちょっとコンビニ。」
「…………早く帰ってきてね。」
父親も飛び出して行き、今は採斗と泰斗のみとなった家に、さらに採斗までが飛び出してしまっては、弟一人になる寂しさもわかっていた。
しかし胸の内からこみ上げてくるこの衝動、なにかに取り憑かれたように、何も言わず採斗は家を飛び出した。
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