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不幸という物は重なるものだ。
一体幾つもの不幸を乗り越えれば幸せが訪れるのだろう。
不幸という物は重なるものだ。
すべての始まりは1ヶ月前、家のすぐ前の路地で一つの財布を拾ったのが始まりだ。
中には福沢諭吉が5枚と絵柄のない青いタロットカードが一枚。
自分の中の欲が激しく作用し、一旦はその拾った財布を家の中に持ち帰ってしまった。
その晩、変な夢を見た。
淡い青色の霧が立ち込める中、ベンチに座っている鼻の長い不気味な爺さんがこっちを見ながらニヤニヤとしながら何かを喋っている。
きっと財布を盗った事にお怒りになった古いご先祖様だろう。
翌朝、目覚めの悪いベッドの中でそう思った。
その日は学校の帰りに近くの交番によって昨日拾った財布を預けてきた。
中身の確認だかで拾った時に何が入っていたかメモをとらされた。そのとき念の為、中身を見てみたが、青いタロットカードが入っていなかった。ま、対したもんじゃないだろうと思い警察官には黙っといた。
交番を出るとあの青いタロットカードが落ちていた、落としてしまっていたのかと、拾おうとした時、ふと目の前の道路に目をやると車に引かれる瞬間の猫を見てしまった。最悪だ。
カードは消えていた。
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