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僕の一日は朝六時の目覚めから始まる。
カーテンを閉め切った暗い部屋の中で、僕は目覚まし時計に起こされることなくむくりと起き上がった。
リビングへ行き、毎日の習慣として新聞を読む。
それと同時に、コーヒーを啜り、トーストをかじって昼食までの栄養を補給する。これで、ようやく朝が来たという気分になれる。
そして、開け放ったマンションの窓から町が活気づくのを感じつつ、今日も頑張るかと一人拳を握るのだ。
着替えて家を出たら、電車に一時間揺られてようやくたどり着く有名な私学の高校で勉学に励む。
成績を落とさない為に、好きでもない分野にも積極的な姿勢でノートを取って、知識を吸収するだけ吸収したら、また一時間かけて誰もいないマンションへと戻り、またノートを見返す。
そして、大体毎日決まった時間にかかってくる、両親のいずれかの電話に、今の成績や生活の様子などを報告して眠りに付き、また明日に目覚める。
毎日がその繰り返しだった。
成績も上々、とは言わないまでも悪くない成績を維持出来ているし、友人関係も悪くない。
両親も、息子の境遇に鼻高々なようだった。
でも。
思えば僕は、ただのしかかる両親の期待なんかに押されて、それに答える為だけに頑張っていたのだと思う。
そう、両親が望むがままに、両親が望むままの人間であろうと日々を過ごしていた。
言うなれば、僕は両親という惑星の周りだけを回る衛星の様なものだったのだ。
これは僕のそんな毎日と、それを揺るがした、あまりにも唐突に強大な引力を持って出現した『彼女』の物語。
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