第一話 白い太陽

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 彼女の名前は、日笠 (ひかさ れん)という。  つややかなショートヘアに、170cmはある僕とそんなに変わらない身長。  キリリと引き締まった目元に、すっと彫りを入れたかのような高い鼻。  その名前のロマンチックさとは裏腹に、彼女の気性は見た目どおりの"男勝り"だ。  他人を放っては置けない性格、とも言えるかもしれない。  まぁ言ってしまえば、単なるお節介でもある。 「まぁまぁ、怒るなって。  そう!そんなことよりビッグニュース!!」  それにしても、相変わらずテンションが高い。  朝も早くから何故そんなに大声が出せるのだろう。  そんな僕の考えを知ってか知らずか、手の甲を口元に当て、僕の耳元にその口を近づけて、小さく囁いた。 「実は、うちのクラスに……転校生が来るんだよ」 「へ……?転校生?」  それは確かに、ビッグと言えるかは疑問だが、ニュースではある。  高校が義務教育でない日本において、転校生なんてそうはいない。
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