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彼女の名前は、日笠 恋という。
つややかなショートヘアに、170cmはある僕とそんなに変わらない身長。
キリリと引き締まった目元に、すっと彫りを入れたかのような高い鼻。
その名前のロマンチックさとは裏腹に、彼女の気性は見た目どおりの"男勝り"だ。
他人を放っては置けない性格、とも言えるかもしれない。
まぁ言ってしまえば、単なるお節介でもある。
「まぁまぁ、怒るなって。
そう!そんなことよりビッグニュース!!」
それにしても、相変わらずテンションが高い。
朝も早くから何故そんなに大声が出せるのだろう。
そんな僕の考えを知ってか知らずか、手の甲を口元に当て、僕の耳元にその口を近づけて、小さく囁いた。
「実は、うちのクラスに……転校生が来るんだよ」
「へ……?転校生?」
それは確かに、ビッグと言えるかは疑問だが、ニュースではある。
高校が義務教育でない日本において、転校生なんてそうはいない。
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