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ようやく辿り着いた一人の新島翔。
地域、年齢から的を絞ると彼しか残らなかったのだ。
年齢を知らない人は探す事すら一苦労であろう。
そう思ったのだが、一人を特定する為には地域、年齢の他に身長や体重、生年月日を入力する項目があった。
きっとこの項目は様々な情報収集するために共通されているのだろう。
何の情報もないという人の為に、顔写真を添付する項目すらあったのだ。
顔写真ならば知り合いを伝い、中学時代の卒業アルバムでも借りてしまえばいいのだ。
そう思えばそんなに難しい事ではないだろう。
そうして探し当てた同じクラスの新島翔であろう人物をクリックする。
「出てきた…」
それはなんの躊躇もなく当たり前のように表示されたのだ。
【1994/11/29】
覚えやすくはない。
「11月生まれなんだ…」
勝手に夏生まれを想像していた雪菜は少し意外そうな顔をした。
が、ふと雪菜は画面を見たまま動きを止めた。
「これってあってるかどうかわかんないじゃない…」
確かに西暦は雪菜と同じである。
しかし、それは年齢を入力したのだから当たり前なのだ。
問題は誕生日があっているのかどうか。
翔の誕生日を知らない雪菜には確かめる術はなかった。
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