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雪菜は悩みに悩んだ末、会員登録のボタンを押してしまった。

払ってしまえば後戻りはできない。

しかし、雪菜も高校生である。

１０万円という現金は何ヵ月かバイトすれば手に入る程の数字だ。

雪菜の高校はアルバイト禁止の校則があるのだが、実際学校側に内緒でバイトしている者も少なくはなかった。

「そうね…バイトすればいいわ…」

丁度都合よく…という言い方が正しいかどうかはわからないが、パソコン部という木曜日の放課後に１時間行うだけの言わば帰宅部に等しい部活に所属している雪菜には時間はたっぷりあるのだ。

バイトをする事を頭に入れながらコンビニ決済の詳細を読んでいく。

どうやらサイトに登録した後、発行されたＩＤをコンビニの店員へ伝え、その場で支払うようだ。

こんなにも頑丈に秘密にしているサイトだというのにコンビニで支払いができるとは何とも不思議な感覚であった。