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登校すれば新島翔の姿が目に入る。
昨日得た情報とどうしても重ねてしまうのだ。
「おはよう」
「あ、理沙。おはよう」
「なーに朝から翔君ばっかり見てるのよ」
「そりゃ見ちゃうわよ!!あんなにカッコいいんだもん」
情報屋に出会わなくとも雪菜が翔を目で追うのは最早日課だった。
「そうだよね…翔君って背も高いし…何cmくらいあるのかな?」
「どうだろうね…」
176cmだよ。
心の中でそう呟いてみる。
当然理沙に聞こえるはずはなかった。
「175cmくらいかなぁ?」
惜しい!!しかしいい線いってる!!Nice観察力!!
雪菜は勝手に自分の中で盛り上がった。
やはり自分だけが情報をもっているというのは何だか特別扱いされているようで嬉しかった。
「あ、また佐々木君と一緒にいる…仲良いよね、あの二人」
「ね…」
二人は幼馴染みで幼稚園の頃からの仲良しなのよ?
本当は言ってしまいたい。
理沙が知らない事を当たり前のような顔をして言ってしまいたいのだ。
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