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「どこで働くか決めてるの?」
「全然。理沙は求人誌で探したんだっけ?」
「そうだよー。いっぱい受けた」
「言ってたね」
いっぱい受けたとは言え、勉強はできなくても人なつっこく部活も雪菜と同じパソコン部で時間のある理沙はわりと簡単にどこでも採用を認められた。
だが、それはどこも持ち前の明るさを生かした表に出るような仕事だった。
バイトが禁止だというのに表だってバイトをするなど学校側にとっては言語道断。
言い訳など役に立たず即謹慎だ。
そんな理由もあり、せっかく
「是非うちで働いて欲しい」
と言われても
「人目につかない仕事でないと困るんです」
と言って断っていたのだ。
「最初から条件付きで受ければよかったんじゃないの?」
「言われてから気付いたのよねぇ…あ、これじゃバレちゃうって」
「はぁ……」
きっと最初から人目につかない仕事を条件で電話をしていたらわざわざ面接に何度も足を運ぶ事もなかっただろう。
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