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おばさんの声と言ってもあくまでも雪菜が感じ取った推測でしかない。
事によっては失礼かもしれないと雪菜は無意識の内に思った。
「すいません。求人誌を見てお電話させていただいたのですが、時間をわきまえずにかけてしまったようで…」
「そう、今忙しいのよ。でもこれ以上遅くなるともっと忙しくなるからとりあえず面接しましょ。あなたお名前は?」
「えっと…山城雪菜です」
「山城…きよ…な…さんね」
メモをとっているのだろう。
途切れ途切れに私の名前を繰り返した。
「学生さん?」
「はい、高校生です」
「高校生かぁ…」
「やっぱりダメですか?」
「うーん、いいわ。やっぱりとりあえず面接ね。明日は学校お休み?」
「はい」
「じゃぁ明日の昼過ぎ…そうね、13時にこれるかしら?」
「大丈夫です」
「じゃぁお願いね」
「はい、失礼しま―ガチャ
最後まで言い終わらない内に電話を切られてしまった。
携帯電話から耳を離し、通話が終わり待ち受け画面に戻ったそれを見ながら雪菜は呆然とした。
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