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放課後、帰り道も情報屋の話題で持ちきりだった。
しかし話せば話すほどそれは架空のものに思えてならなかった。
誰が広めた噂かもわからないわけだし…
とは言え全校で500人もの生徒がいるのだ。
そう簡単に見つからなくてもおかしくないこともない。
「調べてみようかな…」
興味本意だった。
実際にあるだなんて思ってはいないし、そんなサイトが法に触れないはずがない。
何でもかんでも“個人情報”やら“プライバシーの侵害”の時代だ。
すぐに摘発され、経営者が刑務所に送られる姿が目に浮かぶ。
しかし、何の代わり映えのない毎日の中でそんな物を見つけてしまう事ができたなら…人生の何かが変わるのかもしれない。
翔君の事だって…何か話すきっかけが得られるかもしれない…
入学式から半年以上が過ぎたというのにまともな会話など一度だってした事がなかった。
翔君はモテるからと言って天狗になっているわけでもなく、男子からだって人気者なのだ。
そんな彼の周りにはいつだって人がいっぱい囲んでいて、とても私なんかかが近付ける存在ではなかったのだ。
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