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手作りチョコはシンプルなラッピングをしてプレゼントと共に紙袋に入っている。早く渡したいという浮足立つ気持ちが徐々に萎えてくる。
と、私の視界の端の千尋が突然立ち上がった。大股で歩いて私の目の前の席の椅子を引くとどっかりと腰を下ろす。
「貰わないの？」
「貰って欲しいの？」
私の質問に間髪入れず質問で返した千尋が足を組み直してジロリと私を睨む。
「…出来れば貰って欲しくない。」
「貰ってやらないと可哀想、とか言うのかと思った。」
意外そうな顔で私に言う千尋は、ニヤリと口元に笑みを浮かべる。
「かもしれないけれど、でも嫌。」
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