バレンタイン

15/25
前へ
/26ページ
次へ
「サッサと食べてガードするべし。」 「ガードって!」 本気か冗談か分からない二人の言葉に翻弄されながらも私はお弁当箱の蓋を開けた。お母さんの愛情たっぷり、おかずの量もたっぷりのお弁当に私の表情が緩んだのを見て2人が溜息を吐く。 「色気より食い気か。」 「腹ごしらえしないと戦えないよね。」 もはやからかっているだけの二人を横目に私は箸でピーマンの肉巻きを掴んで口に放り込む。 「…彼女がいてもチョコ渡したい心理ってどんなのなんだろう。」 「やっぱりあわよくば、とか思ってるんじゃないの?」 「自分アピールだよね。やっぱり。」
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1502人が本棚に入れています
本棚に追加