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そう聞いたのに返事もせずに無言の威圧を掛けてきた千尋に負けて、私は自分の席にのろのろと移動する。
嫌なのではなくて恥ずかしいのだと千尋に伝わっているのかどうか、勿体ぶっている訳ではないのだけれど消極的な私の態度に千尋は不貞腐れた顔で私の前の席の椅子にドカリと座った。
「ここで食べるの?」
「食べる。」
「分かった。」
私はシンプルなラッピングのみの箱をそっと千尋の方に差し出す。
「ぜ、全部食べちゃうの?」
そう聞いてしまう程のスピードでブラウニーも一口で食べた千尋はニッと笑う。
「全部食べてもまた作ってくれるだろ?」
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