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そう言った千尋は漸く気が済んだのか箱の蓋を丁寧に占めてリボンを簡単に結び直した。あまりにもあっけなく終わってしまった話に、私は言葉を失う。
「ほ、本当に良いの?角が立たない?」
「何のだよ?」
我に返って再度聞き直しても、千尋にはその真意が分からないようで逆に私に聞き返す。
「ううん、ありがとう。」
緊張が緩んで、ほうっと溜息を吐いた私に千尋は真面目な顔で手を伸ばして私の頭を軽く撫でる。
「お礼を言うところじゃねーし。」
えへへ、と笑う私に千尋は優しく微笑むと頬をスルリと撫でた。
「あー、やっぱりバイト行きたくねーな。」
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