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「ほらほら、もう既に狙われているよ、朔ちゃんの愛しの彼が。」
慌てて振り返る私に二人がクスクスと笑う。確かに廊下に近い後ろの席に座る千尋を含めた三人組が女の子達に話し掛けられている。
千尋以外の二人は笑顔で対応しているけれど、千尋は本当に不機嫌そうな顔で背もたれに凭れて足を組んで知らんふりだ。
そんな不遜な態度でも女の子達は頬を染めてチラチラと千尋を見ている。
「やだなあ…」
自然と漏れた声に二人は冷やかしの声を上げて私の頭を乱暴に撫でた。
「キャー、可愛い。朔ちゃんが可愛い!」
「ジェラシー?朔ちゃんもやっと彼女らしくなって来たね!」
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