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「うるさいなあ…」
二人のからかう声を追い払う様に私は凛ちゃんの席から自分の席に戻る。
嫉妬だったらもっと前からしている。一々口にする事じゃないと思うから言ってないだけだ。
凛ちゃんは思った事を全て口に出すタイプだから、以前は井田君ののろけも愚痴も良く聞いた。口に出したとしてもどうにもならない事だという事は凛ちゃんを見ていて悟った。
でも、無意識に出てしまうものらしい。
気にしたって仕方ないけれど、気になるのは止められない。鬱々とした気持ちに苛まれて私は乱暴に椅子を引いてドスンと座った。
今日は朝一で数学の授業がある。宿題があったから当てられる可能性がある。パラパラとノートをめくりながら予習するも意識は廊下側に引き摺られる。
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