第一話×出会い

3/25
前へ
/30ページ
次へ
歩いていたら、前にうちと同じ澤田学園高等部の制服を着た女生徒がいた。 最初は自分と同じく、早く出すぎたのかと思ったが、どうも様子が変だった。 少し歩いては止まっていた。 「どうしたんだろ?」 疑問に思いながら女生徒に近ずいていった。 そして声をかけた。 「あの、大丈夫?」 「...はい?」 とても辛そうに息を切らせ顔をあげる。 その瞬間心臓が跳び跳ねた。 綺麗で黒髪のさらさらショートヘアーは左側にピンを止めている髪型。 容姿はどこかあどけなさが残ってはいるものの、とても顔立ちが整っていて大人らしさも感じさせる。 見た目を一言で言えば、 可愛いと美人を足して2で割った感じの容姿。 その女生徒が息を切らせ顔を辛そうに歪ませていて、右手を胸元に当てている。 「大丈夫?なんだか辛そうだけど?」 「はい、少し...辛いですね...。ちょっと...からだが弱くて...」 あまりにも辛そうだったので 「肩をかそうか?」 なんて言っていた。 しかし女生徒は 「いえ、大丈夫...です」 とても大丈夫そうではない声でそう言う。 「大丈夫じゃないでしょ?」 「いえ、でも人に...迷惑をって...えっ!」 女生徒が抗議している間に体勢を落とし左手は背中、右手は足の関節に手を当て持ち上げる。 お姫さま抱っこだ。 驚くほど軽かった。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

32人が本棚に入れています
本棚に追加