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歩いていたら、前にうちと同じ澤田学園高等部の制服を着た女生徒がいた。
最初は自分と同じく、早く出すぎたのかと思ったが、どうも様子が変だった。
少し歩いては止まっていた。
「どうしたんだろ?」
疑問に思いながら女生徒に近ずいていった。
そして声をかけた。
「あの、大丈夫?」
「...はい?」
とても辛そうに息を切らせ顔をあげる。
その瞬間心臓が跳び跳ねた。
綺麗で黒髪のさらさらショートヘアーは左側にピンを止めている髪型。
容姿はどこかあどけなさが残ってはいるものの、とても顔立ちが整っていて大人らしさも感じさせる。
見た目を一言で言えば、
可愛いと美人を足して2で割った感じの容姿。
その女生徒が息を切らせ顔を辛そうに歪ませていて、右手を胸元に当てている。
「大丈夫?なんだか辛そうだけど?」
「はい、少し...辛いですね...。ちょっと...からだが弱くて...」
あまりにも辛そうだったので
「肩をかそうか?」
なんて言っていた。
しかし女生徒は
「いえ、大丈夫...です」
とても大丈夫そうではない声でそう言う。
「大丈夫じゃないでしょ?」
「いえ、でも人に...迷惑をって...えっ!」
女生徒が抗議している間に体勢を落とし左手は背中、右手は足の関節に手を当て持ち上げる。
お姫さま抱っこだ。
驚くほど軽かった。
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