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「我が名はガブリエル!大魔法使いであーる!」
大魔法使いガブリエルはそういうと、被っていたシルクハットから万国旗を出して見せる。
次に、空っぽになった帽子の中に、水を入れ、再度被ってみせた。
「!」
僕は息を飲んだ。
なんと水は落ちてこないではないか!
そして、最後に帽子を開けて見せると、そこには薄灰色の鳩が、ガブリエルの頭を巣と間違えたかのようにスヤスヤと眠っていた。
僕は言葉がでなかった。
ガブリエル…いえ、ガブリエル師匠!
彼は真の魔法使いではないか!
大人になって、少しだけ穢れてしまった僕には、そのマジックはベタのベタ。基礎の基礎だってわかるけれど、子供の僕にとっては、それは本当の魔法のように感じたのです。
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