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最後に師匠は、僕に近づいて、何もない手のひらから飴玉を出してくださいました。
その飴玉を僕の手のひらに置いて、師匠はお祖父様にスーパーの特売品チラシを渡していました。
僕は、師匠が去ってもその場を離れようとはしなかったのです。
その日、師匠はスーパーの特設ステージで、全5回公演を行い、僕はその全てを鑑賞しました。
その日の帰り、僕のポケットには5個の飴玉と、腕にはお祖父様には買ってもらった『手品の基本-初心者編-』が握られていたのです。
お祖父様は、特売の鶏むね肉300グラム3パックが入ったスーパーの袋をぶら下げ、夕焼けの道を並んで歩き、家まで一緒に帰りました。
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