ミカエル

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次の日から、僕はお祖父様と外出することはなくなりました。 代わりに、僕は、家の居間でお祖父様を観客に手品の発表会をはじめたのです。 それは、簡単なトランプマジックから、紐を使った簡単な縄抜けマジックまで、宴会芸程度のものでしたが、僕は夢中で練習しました。 あれからお祖父様は、師匠のマジック公演を探してくれましたが、近場ではなかったのです。 ”ちほうじゅんぎょう“というやつで、近所のスーパーに来ていたらしいとのこと。 僕は、師匠に僕のマジックをみてもらう日を夢見て、お祖父様相手に毎日練習を続けたのです。
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