ミカエル

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それは、僕が15歳になるまで続きました。 15歳のクリスマスイブ、お祖父様は病院のベットに横たわり、僕の新作マジックを首だけこちらに向けて見ていました。 終わっても拍手が鳴ることはありません。 お祖父様は、もう体を自由に動かすことはできないのですから。 永眠される前、お祖父様は僕の名前を呼び、一言おっしゃいました。 「ちゃんと学校に行きなさい。今度から手品はお友達に見せなさい」と。
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