ミカエル

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僕は、知っていました。お祖父様は、本当は僕にちゃんと学校に通って欲しかったことを。 僕は小学1年の冬、学校に行かなくなりました。 理由はひとつではありません。 友達ができない。 勉強についていけない。 …ここに僕の存在する意味はない。 僕は、お祖父様の存在に甘んじて、学校に行くことをやめてしまったのです。 本当はマジックなんて、見たくなかったのかもしれません。 そんなものよりも、僕が元気に友人と遊ぶ姿を見たかったのかもしれません。 お祖父様は、最後に一言だけ、僕に本心を伝えてくれたのかもしれません。
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