ミカエル

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「おー!すげぇ」 彼は、僕の手元を調べた後、「やっぱわかんねぇ!」と微笑み返してきました。 僕の心臓も飛び出そうなくらい、僕の胸元を掻き回します。 この、心臓の高鳴りは、恋…ではもちろんありません。残念ながら僕にも女性を見て、興奮する機能は備わっています。 ですが、手品を見てもらったことへの興奮、そして人とかかわり合うことへの、緊張。 この2つが胸の高鳴りの原因だったんだと思います。 「せーいーやぁー!」 階下から、女性の声が響き渡ります。 「おー!今いくー!」 彼は、女性の声に返事をすると、「またな」と告げて、僕の元から去っていきました。
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