ミカエル

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高校を卒業し、大人になった僕は、ある一大決心をしました。 我が師匠、ガブリエル殿に弟子入りを志願することです。 僕は、一人で電車を乗り継ぎ、ガブリエル師匠を訪ねました。 僕は、師匠に土下座をし、頼み込みました。「僕を弟子にしてください」と。 ガブリエル師匠は、十数年前にみた、黒髪に髭の出で立ちとは幾分変わり、少々白髪が混じっていました。 そして、おでこはあの頃よりも数センチ後退しています。 でも、笑顔はあの頃と一緒で、僕に夢を与えてくれる素敵な笑顔でした。 「僕なんかの弟子になっても仕方ないよ?」 「滅相もございません!ガブリエル師匠がいいのです!」 このやりとりを数回行った後、ガブリエル師匠は渋々僕を弟子にすることを承諾してくださいました。 やっと僕は、夢のスタートラインにたったのです。
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