残業。

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「お疲れ様でしたー」 時間ぴったりにタイムカードを押していく同僚を後目に、あたしは独りコツコツとパソコンのキーボードを叩く。 金曜日の夜に予定のなかったのはあたしだけ。 みんな手伝ってくれるって言ってくれたけど、合コンだっていうし、なんだか申し訳ないから断っちゃった。 あたしは合コン好きじゃないんだ。 2回参加したことあったけど、2回とも人数調整で来ていた既婚者に相手にされてさ。 同僚達には、幸薄い奴って慰められ… いけない、指が止まってた。 多分、この入力が終わるのって7時位。 しっかり残業手当稼がなくっちゃ! それにしても、お腹空いた‥ 独りの事務所に、突然、携帯電話が鳴り響いた。 携帯電話がレベル4でバイブしながら唄う。 「あ~、びっくりした…」 営業課にいる同僚の竜二からの電話。 今頃、何だろう。 、
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