残業。

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「あたしだったら、どんな値が付くのかな」 「ばあちゃんの話だと、服なり小物なり、真心がこもった物ほど、高い値が付くとか。ほらお前、手作りするの好きだろ?そういう物ほど高いらしいぞ」 竜二が手にした、あたしの鞄のバッグチャーム。 こんなのが高値とは。 「材料百均なのに?」 「購入金額じゃなくて、大事なのは、人の心なんだって。ほら、これなんか高額なんじゃね?」 竜二は自分の左手首に巻いているミサンガを指差した。 あたしが前にあげたミサンガ。 まだ着けててくれてたんだ。 「それも百均だし」 「いいんだ。真心こもってんだから」 ニヤリととした竜二。 ヤバい。 顔が… 、
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