プロローグ

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実家の改築も終盤を迎えていた。出入りしていた不動産会社の担当の中に早川という人がいた。早川は私より一回りも年上だった。 何度か家で顔を合わすうち、何となくお互いを意識するような空気を感じるようになった。 それで改築祝いのパーティーを実家でした時に私は半ば強引にパーティーに来てくれるようにせがんだ。 早川は超がつくほど多忙で、うちの担当の用件でもなかなか連絡も取りにくい程だったけれどそのパーティーがお開きになってからちょっと顔を出してくれた。 そのパーティーは私たちの卒業記念の祝いも兼ねて内輪でしたものだった。その場で私と友達と担当の不動産会社の人で合コンをしようという話が出た。 その合コンに私は「絶対来てくださいね。」と早川を誘った。そしてその合コンが始まるや、早川は皆の前で私に言った。 「明日デートしよう。」 いきなりびっくりした。でも私は満面の笑顔で 「うん」 と答えていた。
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