プロローグ

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当時合コンやパーティーは1、2年生のすること。3年生になったら彼氏とデートがスマート。合コンやサークルに頻繁に出入りするのは2年生までがコレクトとされている空気があった。 パーティーの時以外で3年生の女子がサークル活動に来ているのは珍しくちょっと勇気ある行動とでもいうべき感覚があった。 私の所属していたサークルが少し特殊だったのかもしれない。いろいろな大学の合同サークルで女の子同士はあまり交流せず、男の子を捕まえるためにあの手この手の攻勢をしかけている子も多かった。 19歳のある日、バイト仲間とランチをしていて同じバイト仲間の噂話からいつのまにか初体験の話になっていた。 その時は男女交えて6、7人で話していたがその中で私だけが未経験だった事が発覚した。 私は自分でも驚く位ショックを受けた。私よりずっと地味で冴えない女の子がとっくの昔に経験していた事に驚いていた。 でももっとびっくりしていたのは一緒に話していた男子だったらしい。初めは私が嘘をついていると思ったらしい。 その中の一人、仲間内の鼻つまみ者とまでは言わないにしろ浮いた存在の男子がいた。 共同作業をしていても自分の機嫌丸出しで気分が悪ければ物に当たった。ひがみっぽくねちねちしているところがあって私もあまり好きではなかった。 でもその話以来彼の私に対する態度が俄然変わった。急に私の機嫌を取るような、おもねるような態度に変わった。みんなでランチをしていても私のランチ代を払うなどとまで言い出した。 話が話だっただけに私は気味が悪くなった。彼は明らかに私が処女だと知って以来、急に私に興味を持ち始めたのだ。 それ以来彼の前ではわざとほかの男の子と仲良いふりをしてみたりした。
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