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「至近距離だ、フレン。
――サンダーヘイル!!」
左手は止めた剣をしっかりと握り、右手はフレンの顔の前。
その右手から放たれた高圧の電流を、フレンは剣を手放し後退することで何とかかわした。
だが僅かに反応が遅れていたようだ。
剣を握っていた右手は痺れ、少し焼けてしまっている。
しかしフレンは剣を失っても、動きを止めようとはしない。
拳を握り、また言葉を紡ぎ始めたカルロスに向けて振り翳(カザ)した。
「ぐ……っ」
言葉を終えたばかりだったカルロスはその拳をモロに受ける。
が、同時にギリギリでカルロスが一瞬生み出していた炎の壁もフレンに直接かかった。
フレンは大ダメージで、伸ばした手の先にある剣を掴むのがやっと。
一方のカルロスは先のかすり傷に加え、今の拳で軽い脳震盪を起こしていた。
剣を支えに何とかフレンが上体を起こした時には、カルロスも目を覚ましていた。
「あーあ……またかよ」
「毎度毎度、飽きもせずに相討ちだな」
二人での組み合いは、倒れたら終わりというルールを作っている。
毎回、二人が倒れるのはほぼ同時なのだ。
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