…謎の女…

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…謎の女…

明:…よいしょ! ユキ:…明!? 明:おぅ、ユキ! …おっと…っ ユキ:何~?このプリントの束~… 明:いや、先生に頼まれた… ユキ:もう! 明はお人よし過ぎなのよ! 明:そうかな~? 不良:おらっ、持ってきてんだろ!? 不良:早く出せよ! 俺はユキと 顔を見合わせた… ユキ:屋上の方からだ… 明:…俺ちょっと行ってくる! ユキ:えっ、ちょっ…明! バンッ!! 扉の音と共に 二人の不良がこっちを見た… …その間には。 ポン:…明!? 明:…ポン!? 不良:チッ…んだよ… 不良:行こうぜ… バタン!! ポン:…明… 明:……お前またあの二人に呼び出されたのかよ? ポン:…うん。 明:はぁ…ったく! のこのこついてくなって俺言っただろ!? ポン:…うっ…ぇ… 明:だぁーっ!もう! 男がメソメソ泣くんじゃねぇよ! ポン:だって…明がぁ…っ 明:…お前さぁ、 そんなんだからアイツらに絡まれんだぞ? ポン:…ぅん。 明:…これからは気をつけろよ? ポン:…ぅん。 明:よし! キーンコーンカーンコーン… ポン:わぁ! 予鈴鳴っちゃった! ど、どうしよ… 明:大丈夫だって! …よいしょ… そういって俺は 床に寝転んで 空を見た… 明:お前も横にな れよ。 …気持ちいから! ポン:…うん! ポンも俺の横に 寝転んだ… ポン:わぁー… 気持ちいね… 明:…うん。 ポン:…僕、空見てたら…嫌なこと……。 忘れられそうかも。 明:…ポン… ポン:…ありがとう、明… 明:…………あぁ。 …震えた声で 俺に礼を言うポンの顔を見た。 ポンは…泣いていた… だけど俺は 気づかないフリをした。 小さい声で 何度も何度も “ありがとう”と 言ってるんだ。 明:…っ …俺も。 泣きたくなってくる…
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