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「座らないの?」
「あ、はい」
ベンチに座ったけれどあたしと先輩の距離はベンチの端と端。
「如月さん」
あたしの名前を呼びながら先輩が距離を縮めてきた。
「俺のこと知ってる?」
えっっ!
「知って……ます」
「ホントに?」
あたしの返事に先輩はニコっと笑った。
「じゃ、俺の名前。言える?」
な、名前…
なんだっけ?
「あ……の」
どうすればいいの?
助けて下さーい。
緊張と恐怖とで涙が滲んでくるのが分かった。
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