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「あー、ホント、マジでごめんな」
また、あたしに謝る先輩。
何を言えばいいか分からなくて、口を開くことが出来ないでいた。
そんなあたしを見て少しの沈黙のあと、先輩があたしの耳元で囁いた。
「…放課後、話せるかな?」
“話せません!”
何て言えないよ。
あたしはただ首を縦にコクコクと振った。
「よかったー。じゃ、放課後迎えに来るな」
ゆっくりと視線を合わせると先輩はキレイな顔で笑ってた。
“怖い”と“かっこいい”
ふたつのキモチが交差して思わず頬を紅くした。
3年生の教室に帰って行く先輩の後ろ姿。
あの人があたしの彼氏だなんて…
「ナナ、どうだったの?」
「…朋子ーー!」
やっぱり朋子に泣きついた。
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