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あっという間に時間は過ぎて放課後になった。
「はあーーー」
「ほら、行っておいで」
教室のドアの前であたしを待ってるのはあたしの彼氏。
あれ?
名前、先輩の名前って何だっけ?
ふと、そんなことを考えてるあたしの背中を朋子は容赦なく押した。
もう行くしかないよね。
ドクンドクンと激しく鳴るあたしの心臓。
手の指先もゆっくりと先輩の所へ向かう足も緊張で震えが止まらない。
金髪。
ピアス。
着崩した制服。
やっぱり真っ直ぐに見ることが出来なくて、先輩の上履きを見つめてた。
「…行こっか?」
コクリと頷いて、あたしは先輩の後ろを歩いた。
周りの生徒達の視線が痛い。
話しかけられると、
「おう!」と挨拶する先輩。
話しかけてくる人達は地味なあたしとは世界の違う人ばかり。
不良とかギャルとか…
そんな、興味津々な目でみないでよ。
目立たないように地味に生活してたのに。
どうしてこんなことになっちゃったんだろう。
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