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「ねぇ、流衣さ~。俺達のことほんとに知らないの?」
「……知らねぇ」
……………ハズ。
「そっかぁ。……陽」
「……あぁ」
嬉しそうに笑った李斗は、陽と意味が全くわからないアイコンタクトをした。
あんなんでわかるのか…?
こいつらはエスパーかよ?
「ねぇ流衣」
「ん?」
「俺達さ…、…暴走族入ってるんだよね」
「うん」
「……怖がらないの?」
『うん』しか言わなかった俺を、李斗と陽は驚いたような顔で俺を見た。
「暴走族入ってるから…、だからなんだ?」
「え……」
「入ってなくても入っていても、李斗は李斗だし陽は陽だ」
多分こいつらは暴走族に入っているってだけで、怖がられたり媚を売られたりしたんだろう。
だけど俺は………
見た目で判断する奴が大嫌いだ。
「……流衣」
陽が少し俯きながら俺を呼んだ。
今、こいつに初めて名前呼ばれた……。
「俺らは………
青月(ソウゲツ)に入ってる」
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