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「流衣……マジで言ってる…?」
李斗はあり得ないとでも言うような顔で俺を見る。
陽は、……無表情だからわかんないけど、多分驚いてると思う。
「大マジ」
「マジ…?」
しつこいな―、李斗は。
知らないんだからしょうがねぇじゃん?
「――流衣」
「ん?」
「俺等青月は、県No.1だ」
「うん」
「それを知っても、お前は態度を変えねぇの?」
「何で変える必要があんだよ?」
なぁ、陽。
お前はここまでずっと無表情だったのに、この俺でさえ、心が読み取れないのに。
今ははっきりと、陽の心がわかる。
だけどな、陽。
「さっきも言ったじゃねぇか。陽は陽だって。何度も同じこと言わせんな」
「あぁ……、そうだったな」
俺は俺が信じたいと思ったやつは、相手が裏切ろうと俺は最後まで信じる。
今俺は、陽と李斗を信じたいと思った。
陽は昔の俺を見ている様だ。
だから何故か、
救いたい。
そう思った――――。
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