親愛なるバカたちの饗宴

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というわけで。 成り行きで俺は、放課後屋上に出向くことになった。 目の前に佇むは重厚な扉。 辺りはまるで俺の心境を反映させたように静寂に満ちているが、それを乱すお邪魔虫が一匹。 「ぷぷっ、相手はどんなゴリラなんだろーなぁ?」 あれから、倉田じゃない(略)は、俺にコクる奴なんてゴリラくらいしかいないと勝手に結論付け、一人で騒いでいる。 倉田はと言えば、そんなお邪魔虫をどうどうと諌めながら、簡潔に要点をまとめて発言した。 「まあ、頑張ってね。」 なるほど、ぜひそこのもう一人にも見習って欲しいくらいである。 とにもかくにも、俺は扉を開けた。 爽やかな風と赤い空。 放課後の屋上には誰もおらず、ただただ風が吹き抜けている。 .
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