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自室に駆け込み、寝室の窓辺のカーテンの陰に隠れる。高鳴る胸を押さえつつ、拾った紙を広げた。シッコーショの何たるかは分からないが、死刑に関するホンモノの書類らしい。もしかしたら、ここに名を書かれた人物は、王の印が捺されれば、死刑になるかもしれない。そんな姫の予想は、警護隊長のヴァーリックに『執行書』なる言葉の意味を訊いて、確定的になった。
それでは同じ書類を作り、タニヤザールの名を書けば、あの無礼な給仕長は死刑になるのだ。三日かかって出た結論に、姫は舞い上がった。父王はどうせ上の空で、印を捺すに決まっている。なんと素晴らしい思い付きだろう。
ただ問題があった。書類の文章の、どの部分が死刑囚の名か、まったく分からない。分からない単語は辞書で調べましょうとの教師の言葉を思い出し、四苦八苦して辞書を開いた。ところが、一つの単語を引くのに恐ろしく時間がかかる上、説明されている文が、これまた全然分からない。
姫の計画は頓挫しかかった。
しかし、思わぬ情報が耳に入る。
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