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いっぽうここは海架シティ・ホール、廊下。
「お嬢様ー、赤音お嬢様ー」
社長の一家である割伊家の使用人、藤・美佳は社長の娘である割伊・赤音を探していた。
「(どこへ行ったのかしら…もうすぐパーティーがはじまるのに…)」
美佳が右往左往していたそのとき、声が響いた。
「ちゃんと聞こえているわっ!!…まったく、本当にジャマな女ねぇ!」
美佳の後ろに赤音が立っていた。
「あ、赤音お嬢様、まもなくパーティーが…」
美佳の説明に赤音はそっぽを向く。
「赤音、そこにいたのか!」
今度は男の声がした。
割伊製薬社長の割伊・青威だった!
「お父様~♥」
甘えた声で青威に抱きつく赤音。赤音の頭をよしよしと撫でながら、青威は美佳に冷たい眼差しを向ける。
「何をしている、藤…早く会場に行くぞ!」
「あの…社長…」
何かを言おうとする美佳に、青威はさらに話を続ける。
「いいか藤。おまえがここにいるのは、私のお情けからだ!そのことを忘れるな…!」
美佳はうつむきながら答えた。
「…はい」
会場はパーティーの参加者で賑わいを見せ、壇上では青威がはじまりのあいさつの最中だった。
「パーティーへ参加いただきありがとうございます!おかげさまで我が会社は30周年を迎え、これからも新薬の開発に…」
そのとき爆発が起きた!!
「何があった!?」
「天井が…!」
「見て!誰かいるわっ!!」
天井には爆発でできた大穴があいていた!
そこにローブをまとった男がいた!!
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